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教授紹介

宮岸幸正教授
“理科好き”と“アート好き”が、同じ教室にいるのがいい。
大阪工業大学 工学部 空間デザイン学科 宮岸幸正教授
学生時代は、建築とともにプロダクト(工業製品)や工芸品などのデザインを学ぶ。「ビルや住まいは科学だけでつくられるのではなく、その中に人間の感性でつくられた、美しいもの、かっこいいもの、楽しめるものがなければならない」というのが持論で、工学部空間デザイン学科立上げの中心を担う。
同学科には「インテリア・プロダクトデザインコース」とともに、建物のデザインを学ぶ「建築デザインコース」もある。理科好きとアート好きの人が同じ教室にいて、お互いに刺激しあいながら学ぶ学科にしていきたいというのが先生の夢。
家は「箱」と「中」がいっしょになって、 初めて「家」になる。

「空間デザインを教えています」と言うと、「?」って顔をする人が多いようです。家やビルをつくる人のことを建築家と言いますが、家やビルは建てればそれで完成ではなく、人が気持ちよく暮らし、買物や食事や映画などを楽しめるようにするためには、その中(空間)を住まいやショップやレストラン、映画館にふさわしいものにしなければなりません。それをデザインするのが空間デザインです。

職業でいえば、インテリアデザイナーやプロダクトデザイナーと言われる人たちです。インテリアデザイナーとは、部屋の中に置くソファーや椅子などをデザインする人。プロダクトデザイナーとは、ケータイ電話やテレビ、文房具など生活に必要な工業製品をデザインする人のことです。

簡単にいえば「箱」をつくるのが建築家で、「中」をデザインするのがインテリアデザイナー、プロダクトデザイナー。つまり、「箱」と「中」をつくる人がいっしょになって、初めて、人が気持ちよく暮らしたり、食事やショッピングを楽しめる家やビルができるわけです。

科学も大切だけれど、 もっと大切なのは人間の“感性”。

ソファーやケータイ電話は、“かっこいい”“かわいい”だけではデザインできません。人が座ってペシャンコになったり、形がくずれるようではソファーは役に立たないし、どんなにオシャレでも、使いにくかったり、こわれやすいケータイ電話は製品にならないからです。そこで、必要になってくるのが強度や耐久性、用いる素材などに関する、物理(理科)の知識と数学(算数)の能力です。


じゃあ、理科や算数が得意だったらなれるかというと、そうではありません。ケータイ電話を選ぶとき、あなたは何をポイントに選ぶでしょうか。「性能がいいから」というより、「形がいいから」「色がいいから」といった、見たときのデザインで選ぶのではないでしょうか。科学的な知識は必要だけれど、それ以上に求められているのは、みんながほしがるモノを見つけ、形にするひらめきや創造力なのです。

大学で学生たちを教えていて「すごいな」と思うのは、若い人がもっている感性のするどさです。ケータイ電話もインテリアも、これからのデザインにはそういった若者の感性が大切になってきます。また、「この色いいな」と思ったら、「どうすれば、こんな色がつくれるのだろう」という疑問や興味がわいてくるはず。科学の知識や技術がないとその色がつくれないことがわかれば、科学を勉強したいという意欲も高まってくるのではないでしょうか。

小さいころに本物の自然やモノにふれる大切さ。

大阪工業大学には、長い間、建築家を育てる建築学科しかありませんでした。「箱」をつくる人を育てるだけではなく、その「中」をつくる人も育てることはとても大切です。最初に言ったように、「箱」と「中」がいっしょになって初めて、人が暮らす「家」や、食事やショッピングを楽しめる「ビル」になるからです。


建築学科と空間デザイン学科の学生を比べてみると、おもしろいことに気がつきました。建築学科は物理や数学が得意だった男性が多いけれど、空間デザイン学科は、理科はきらいじゃないけど、物理や数学を本格的に学びだしたのは、この学科に入ってからという学生(それも女性)が多いことです。インテリアデザイナー、プロダクトデザイナーというと、今までは数学や物理や工作が得意な男性が中心でした。でも、これからは感性のすぐれた女性(もちろん男性も)が、感性に科学的な知識や技術をドッキングさせて、インテリアやプロダクトをデザインしていく時代。その意味で、理科はちょっと苦手でも、感性豊かな人に来てもらいたいと思っています。

21世紀は今までのように大量にモノをつくって、使いすてにするのではなく、シンプルであきのこないデザイン、環境にやさしい素材を使ったモノ、親から子どもへ伝えられるインテリアなどが求められています。そういったモノをデザインするためには、子ども時代に自然や本物(伝統的な工芸品や一流といわれる製品)にふれることが大切です。今の小学生や中学生はゲームというバーチャルな世界に夢中になりがちなので、もっとリアルな世界を感じて、楽しんでほしいと私は思います。なぜなら、それが将来、あなたたちが建築物やインテリア、プロダクトなどをデザインするときに、大きなかけがえのない宝物になってくるからです。

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