



将来、人の役に立てる仕事につきたいと考えていました。できれば、医療分野で働きたい。病気やケガで困っている人を助けたいと思っていました。でも、私は医者や看護師、薬剤師になれるタイプじゃないし、そんな自信もありませんでした。そんなとき、大阪工業大学に生体医工学科というのがあるのを知りました。初めて聞いた名前の学科だったので、「何をするんだろう?」と興味を持ちました。調べてみると、医学と工学をドッキングさせて、これからの医療やヘルスケア分野で必要な装置や機械、医療用ロボットなどをつくる技術者を育てる学科だというのがわかりました。今までなかった新しさにひかれ、小さいころから工作やモノづくりが好きで、生物と化学が得意だったので入学しました。



1年生のとき興味を持ったのは解剖学です。人間の筋肉や骨格、心臓をはじめとした臓器の仕組みや働きを、医学博士の先生が医療の現場の話を交えながら教えてくれるので、楽しく、興味深く学ぶことができました。例えば、私たちはあたり前のように物をつかんだり、腕を曲げたり、振ったりしていますが、そういった動作ができるのは、私たちの体をつくっている筋肉や関節や骨が精密機械のように精巧に動いているからです。知れば知るほど、人間の体はすごいなと感心しました。
また、物をつかんだり、運んだりするときの筋肉の動きを知ろうとしたり、機械で同じような動きをさせようとしたら、運動力学など物理の知識が必要不可欠になってきます。私は高校時代、物理は大の苦手でした。でも、物理の初歩からていねいに教えてくれるので、物理の勉強も苦になりませんでした。それよりも、物理を学ぶことで今まで以上に筋肉の動きや働きがよくわかり、これからの医療用の装置や機械の研究・開発に役立てられるのだとわかると、どんどん楽しくなっていきました。
それから、実験や実習が多いのもこの学科の特色ですね。1年生のときから少人数でグループを組んで、電気回路を組み立ててつくった装置を使って心電図(心臓の動きをグラフに記録したもの)を測ったり、太陽電池をつくったり…。それがとても楽しい。もちろん、実験や実習の後はレポートを書いて提出。しっかり勉強もしています。
将来は働きながら「臨床工学技士」の資格をとって、医療用の機器を使って患者さんの心電図や血糖値などを測定する病院専属の技術者になること。私のアルバイト先の店長に「昔は大阪工業大学というと男の子ばかりだったけれど、最近、女の子も増えたね」と言われたことがあります。「技術者の世界もこれからは女性がリードするのよ」。声には出さなかったけれど、私は心の中でそう叫んでいました(笑)。